続・徒然なるままに
【データで読み解く統一地方選】東京一極集中、解消の鍵は女性 大阪圏は受け皿になれず - 産経ニュース
2023/04/02 07:22
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【データで読み解く統一地方選】東京一極集中、解消の鍵は女性 大阪圏は受け皿になれず - 産経ニュース

https://www.sankei.com/article/20230401-HSEZQOYSYBLJHAYOZFHQ52WMGY/?outputType=theme_localelection2023



2023/4/1

4年に1度の統一地方選。結果が国政に影響を及ぼすこともあり、各党は国政選挙並みの体制で挑んでいる。今、問われているものは何か。日本の現状と争点にデータから迫る。

東京一極集中の是正が叫ばれて久しい。特に新型コロナウイルス禍は場所に縛られない働き方を普及させ、東京23区では令和3年、外国人を含めた統計を開始した平成26年以来初めて転入者を転出者が上回った。「一極集中に終止符か」「コロナ禍が地方創生に寄与か」。一部でこうした見方もあったが、実態はより深刻だった。


コロナ緩和で一転

東京23区には転入者が転出者を上回る「転入超過」が長年続き、社会問題になっていた。コロナ禍前の令和元年の転入超過は6万4176人だった。

しかしコロナによるテレワークの普及などで勢いは鈍化する。総務省によると、令和2年の転入超過数は前年と比べて約5万人少ない約1万3千人に減少し、ついに翌3年には約1万5千人の転出超過に転じた。企業の本社移転も加速。調査会社「帝国データバンク」によると、東京圏(東京、神奈川、千葉、埼玉)から地方に本社を移転した企業は、同3年に過去最多の351社に上った。

だが昨年の東京23区は一転して2万1420人の転入超過となり、依然として東京の吸収力が強いことを示す結果となった。コロナの行動制限緩和の影響とみられる。過去のバブル崩壊やリーマン・ショックでいったん集中が緩和された後、景気回復とともに元に戻ったのとほぼ同じ道をたどっている。

データを読み解くと、いびつな構図が浮き上がる。3年に東京23区から転出した人を追うと、上位10自治体が横浜市やさいたま市、神奈川県藤沢市といった、いずれも東京近郊の都市だった(コロナ禍前の令和元年比)。確かにコロナ禍で東京圏から地方に移住した人はそれなりにいる。しかし大半の人は同じ東京圏にとどまり、全国への広がりは甘い夢にすぎなかったことが分かる。

言い換えれば、「東京圏以外」は受け皿になりえていない現状がある。例えば東京に次ぐ規模の都市が広がる大阪圏(大阪、京都、兵庫、奈良)。平成25年以降で見ると、令和2年に転出超過が1118人まで改善したが、転入超過になったことはなく、人口流出の傾向が顕著になっている。大阪市に限っては東京23区からの転入者は近年7千人超で、かろうじて受け皿になっているものの、関西全体の低迷は明らか。


「東京国」と「地方国」

「過密に苦しむ『東京国』と過疎に苦しむ『地方国』。この2つが併存するのが今の日本だ」。地方自治に詳しい中央大の佐々木信夫名誉教授が指摘する。

佐々木氏によると、東京の吸引力の強さの一つは、若者の職業選択の幅の広さと機会の多さだ。主に東京の転入超過を支えているのは、就職先として選択する若い女性の存在だといい、「女性が求める仕事や雇用の幅を、地方がいかに広げて創出できるかが鍵」と話す。コロナ禍で分散の兆しはあったが、感染拡大で地方の雇用も同時に消え、絶対数の多い東京圏を選択せざるを得ない状況が続いていたとみる。

だからこそ求められるのが「東京と地方が共存するような列島改革」(佐々木氏)。企業の本社移転を国や地方が税制面で支援するなど、「働く場を分散させることが重要」と訴える。

経済の本格再開と同時に、一極集中が再加速した事態をどう受け止めるのか。文化庁の京都移転や企業の脱東京は注目を集めているが、限定的だ。地方存続の危機に対する「特効薬」は見つかっていない。(木下未希)








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