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※ 写真は15年前、寝台特急「はやぶさ」のラストランのニュースを知り、東京駅ホームまで会いに行った時のもの 今朝 YouTube を開くと、懐かしい寝台特急「はやぶさ」のラストランの動画が お勧め動画に挙がって来た これを探していた訳ではなかったが、数年前に寝台特急「はやぶさ」の動画を幾つか見ていた事があったから挙がって来たのだろう 見ると 切ない気持ちになることは予想できたのに、つい見てしまった‥ 涙が止まらなくなった 私が声楽家になるために高校卒業と同時に上京した頃‥ その時代、郷里 熊本と東京を行き来する際は、現在のような格安航空券のようなものが無かったため、贅沢に飛行機に乗るのは、余程急を要する時や何かしら家族が見送りに空港まで来てくれるようなタイミングの時で、続いて贅沢なのが新幹線、そして普段の帰省は 列車内で一泊して移動する寝台列車だった 近年では ブルートレインというと、贅沢な生活が出来る人が旅行で利用する非常に豪華な列車‥ との認識がされていると思うが、昔昔、寝台列車は庶民の長旅を支えてくれる極めて真面目な乗り物だったのである 熊本と東京を結ぶブルートレインには変遷の歴史があって、利用していた時期で 人によって認識に違いが出る 私が利用していた頃は、熊本駅止まりは寝台特急「みずほ」で、寝台特急「はやぶさ」はその先の鹿児島まで通っていたと記憶している だから確か「みずほ」の利用率の方が高かった気がするけれど、「みずほ」はブルートレインが廃れて行く中で、1994年 12月2日のラストランをもって早々に廃止となり、以降、 熊本と東京を結んで 長い歴史を刻み続けたのは、後に熊本止まりになった「はやぶさ」であった その寝台特急「はやぶさ」も、2009年 3月13日にラストランの時を迎えることになり、「はやぶさ」という名前は、その後 新幹線に使われることになった 寝台特急「はやぶさ」に特別な思い入れがある私の頭は、今でも新幹線「はやぶさ」という名前を受け入れることが出来ていない 18歳で上京した私は、一体何度この寝台列車に乗っただろう‥ 昼間は座席となっている最下段も含め、時間になると３段‥ 車両によっては２段‥ とベッドがセットされる だから昼間は６人が向かい合わせに座っていることになり、見知らぬ人と直ぐには親しくなれない私のような人間にとって それは一つの社会勉強の場所にも成っていたに違いない 当時は食堂車もあって、そこで食べる朝食は楽しみだった 毎年、同じ季節に利用するため、あぁ 今年はここの菜の花の咲き方が凄いなとか、途中途中の土地の様子も良く覚えていたものだ 夜になると、目に映る動く夜景と共に耳に届いてくる汽笛が 哀愁を帯びて素敵だった 今でもその汽笛の音は 頭の中にはっきりと記憶されている 寝台特急「はやぶさ」最終運行のニュースを聞いた時は衝撃だった イベントなど人が沢山集まる場所を とても嫌う私だけれど、ひと目最後に会いたくて、ラストランの数日前に東京駅のホームに会いに行った 少し車両の中に入らせて貰うと‥ 懐かしい鉄の香りがした 軽量化された現代の列車の中では もうこういう金属の香りは余りしないものだ その日、ホームで発車を見送ることも出来た筈だが、涙が溢れるどころか 嗚咽混じりの号泣になりそうで‥ みっともないなと それは避け、寝台特急「はやぶさ」の車両を手で触れて、「本当にありがとう 長い間お疲れ様でした」と感謝の一礼をしてホームを後にした まだ十代の若者‥ 東京で精一杯頑張り、少し疲れた心と体を帰省した熊本の実家で癒して‥ また力をもらって東京に向かう たくさんの夢を乗せてくれた寝台列車 幾つの夢が叶い 幾つの夢が破れただろう 思いがけず流れたYouTube のラストランの光景に涙が止まらない 最後の別れに行った時のこの写真は15年前‥ あの時、初心を振り返り、頑張らなければ！と自分を奮い立たせたことを思い出す あれから また15年‥ 私の車両もだいぶ疲れた‥ 旅も長くなった もう 俺もラストランでいいかな‥ 今夜は懐かしいあの汽笛の音が 遠くから聴こえてくるかもしれない‥ さようなら 寝台特急 富士はやぶさ 東京駅最後の出発 ラストラン → youtu.be |