†Omosessualita†

腕の傷跡はやっぱり、
人目を引いてしまう気がして
隠すもんだと思ってるから
夏でも半袖にはならない。

そこまで気にしてないっちゃ
気にしてないんだけど

前の職場で、
あまり出さない方がいいよ、
と言われてしまってからは
自分がよくても周りは違う、
っていうのがわかったから
やっぱり隠すしかない。

もうずっと前の過去のことで
もうそんなことはしないし
そんな人間でもないんだけど

この傷跡だけで
この傷跡の大きさだけで
それが目に入っただけで
印象を勝手に決めつけられるのは
佃にとってはマイナスでしかない。

それはいくら私自身が
説明しようが無駄なことだし
差別されたらもうおしまいだし
こいつとは、一生付き合って
頭に入れとかなきゃいけない。

以前、学生のときに。
その傷跡の数や大きさは
只事ではない、みたいな
決めつけみたいなものをされて

佃自身は、
虐めとか家庭崩壊とか
周りの子達が体験してきた
もっとつらいものたちは
一切経験してないし

これは自分が自分を
嫌いでつけただけで、
傷の具合と過去の経験は
比例するわけじゃないのに
大した過去なんてないのに

そんな風に見られてるのか、
イメージされてんのか、
って思ったら、

尚更、
つらい経験はしてないのに
傷跡をつけてしまった、
あの時の自分を情けなく感じて
嫌になってしまう。

学生のときの担任に、
誰々はもっとつらい現状にいるから
お前はまだましなんだと言われて

つらさの基準値を
人と人で比べるなよと思って
それから、比較が嫌になって

確かに私は、
欠けてるものがあったにしても
家族も友人も恋人も環境も
全くの0だったわけじゃない。

それが自分に合っていたかどうか
それは一旦置いといたとしても、
自分は恵まれていた方であって
周りの子はもっと深い闇があって
そんな子達ほど私みたいに
逃げたり貶したり切ったり
歪んだりしていない好い子で。

それを、この傷跡を見るたびに
どうしても考えてしまう。

今も大して変わらない、
私は相変わらず屑なままで
人がどれだけ周りに居ようが
1人消えたくなったりして。

レーザー治療したりして
少しは薄くなったけど
それでもまだ、まだ。

職場で一言言われるまでは
まるで存在を忘れるように
腕捲りなんてしてたけど
罪悪感でいっぱいだ。

必ずしも、
みんなが同じではない。
気付いて欲しくて切って
わかるように包帯巻いて
態とらしい子もいるし

それで生を実感する子もいるし
友達から伝染した子もいるし
血が好きでやる人もいるし
理由なんて星の数ある。

自分と同じ物差しで測れないし
同じ場所に傷があるからって
仲間意識芽生えるのもよくない。
気にしないで生きてる人もいる。
いろいろなんだ、本当に。


腕の傷に関しては
話すと切りがないから終わり。


ノースリーブのワンピとか
綺麗に着れたらいいよなぁ。